皆さんのなかにも、
学生時代に奨学金を借り、
社会人になってから返済されている方が、
いらっしゃるのではないでしょうか。
早く返した方がいいのかどうか、
迷われている方もいると思います。
今回は「貯蓄があっても奨学金を前倒しで返済しない理由」について紹介します。
わが家は夫婦二人とも、大学進学にあたり、
日本学生支援機構から奨学金を借りました。
金額は夫が288万円、妻が230万円ほどで、
毎月コツコツ二人あわせて年間33.3万円を返済しています。
総額588万円に対して、
残高が258万円、あと7年9ヶ月で完済の予定です。
「奨学金=借金だから、少しでも早く、
まとめて返済した方がいいのでは?」
と思われた方は、金融リテラシーの高い方だと思います。
実はわが家でも、
それぞれ独身時代に貯めたお金などを活用すれば、もう少し早く完済できるのですが、あえてしていません。
なぜ前倒しで返済しないか
もし貯蓄を奨学金の前倒し返済に充てると、
だいたい2年で完済できることになります。
でも、わが家は前倒しの返済に充てず、投資に回しています。
具体的には、
「つみたてNISA」を満額活用し、年間40万円×2人=80万円、
「iDeCo(夫のみ)」を年間14.4万円で、
年間合計94.4万円を運用しています。
次に、なぜ奨学金を前倒しで返済せずに、
貯蓄(運用分)を優先しているかご説明します。
ポイントは2つです。
①夫婦が借りている奨学金は第一種であるため、利子がない。
このため、前倒ししても、しなくても総額が変わらない。
(生命保険のように、
年払いをすれば割引があれば話は別ですが、
日本学生支援機構の場合には、
まとめて支払った場合にも割引がありません)
②年間94.4万円を運用すると、運用益(4%目標)を期待できる。
下記で比較します。
【この94.4万円を全て奨学金の返済に回した場合】
2022年12月 奨学金完済
2023年 1月 年間94.4万円運用開始+年間貯金33.3万円(返済にあてていた分)
2028年9月 貯蓄797万円(運用益66万円含む)
【奨学金を前倒し返済せず、運用を優先した場合】
2028年9月 奨学金完済、貯蓄856万円(運用益125万円含む)
※わかりやすさ重視で、税金等の話は省いています。
※また実際の利回りは変動するため、あくまで推定値です。
税金等の複雑な話はここでは省略しますが、
奨学金を前倒し返済せずに運用を優先させた場合の方が、
奨学金返済終了時に59万円も得することになります。
利子なしの奨学金の場合、
毎月返済しても合計金額は同じなのでたんたんと返済し、
毎月運用に回せる金額を増やすことで運用益アップに繋がります。
前倒しで返済すべき場合(利子がある場合)
一方、「利子あり」の場合にはどうしたらいいのでしょうか。
ここで、ある書籍からヒントを引用したいと思います。
“すでに借入金を抱えているのなら、
最も有効なお金の使い方は、
予定より早く返済することになります。
大まかな指針(アメリカの場合)を書くとしたら、次のとおりです。
・借入金の金利が3%未満だったら、
返済はあせらず、余裕資金を投資に回しなさい。
・借入金の金利が3~5%だったら、
余裕資金を返済に充てても、投資に回してもかまいません。
・借入金の金利が5%より高かったら、
何をおいてもできるだけ早く借入金を返済すべきです。“
「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」
ジェイエル・コリンズ著/小野一郎訳
上記は一例ですので、
ご自身の経済状況等を踏まえてご検討いただければ幸いです。
かの有名なアインシュタインが
「複利は人類による最大の発明だ。
知っている人は複利で稼ぎ、
知らない人は利息を払う」と残したように、
投資は複利を活用すれば、上手に資産を増やせます!
少しでも参考になれば幸いです。