感想
この本は、今後も読み返したい大好きな1冊になりました。
終身雇用を前提とした労働時間の搾取は、もはや時代にそぐわない制度になっていると思います。私も今は組織人ですが、この本を読んで、10年以内には柔軟な働き方を実現したいと考えるようになったともに、その仕組みを多くの人と共有して、一人でも多くの方が自由な働き方を手に入れるような受け皿を作りたいという夢もできました。
とても面白い本ですので、ぜひお試しください。
著者プロフィール
・1984年生まれ。専門学校の職員として勤務後、2012年に「1日100食限定」をコンセプトに「国産牛ステーキ丼専門店 佰食屋(ひゃくしょくや)」を創業。
・連日行列ができる人気店に成長したにもかかわらず、「残業ゼロ」を実現した飲食店として注目を集めている。
内容と考察
・人生100年時代に相応しい理想的な働き方が紹介されています。
佰食屋は、「サービスを極限まで絞ることで、売上を上げているお店」と言えます。
「本当においしいものを100食売り切り、早く帰ろう」、「早く売り切れば、早く帰れる」といった、シンプルな目標は、共有しやすく、働く人が迷わず集中できると思います。
経営者の覚悟
経営者で筆者でもある中村さんの、「『仕組み』で人を幸せにする」という経営方針に、覚悟を感じることができました。
例えば、「経営者ができないことを、従業員にお願いするのは申し訳ない。」だから、「夜営業はやめてしまおう」という発想は、資本主義の今日では、なかなかできない判断だと思います。
「なにかを捨てることで、得られるものがあります」という著者の考え方は、あらゆる場面で応用できるものではないでしょうか。
従業員への思いやり
働きやすい職場は、従業員のパフォーマンスに直結すると思います。
例えば佰食屋は、有給消化100%を実現しているそうです。実現できる背景には、他の従業員にしわ寄せが来ることがないよう、少し多めに人を雇い代理でカバーできる余裕を確保しているとのこと。
人件費削減が叫ばれる今日、多めに雇用するという逆転の発想には驚きました。
今いる人材を大切にする方が、新たに人を雇うよりも圧倒的に効率がいいはずです。働く人に優しい仕組みを、もっと考える必要があると感じました。
本当にその通りだと思います。
やめる覚悟
筆者は「就業時間内に利益が出せない事業なんてやめてしまえばいい」と断言しています。経営者の覚悟ですね。むやみな多角化により、社員が疲弊している会社は多いのではないでしょうか。選択と集中こそ大切なのではないかと改めて思いました。
個人に向けて
佰食屋の働き方は、そのまま私たち一人一人にも当てはまることだと思います。
「敵は己の中にあり」。自分のペースでできる仕事を早く形にしたいと思います。