「畳み人」という選択 「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書 設楽悠介

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畳み人(たたみにん)広げ人(ひろげにん)という著者の造語は、会社内や組織をとらえる上で、とてもしっくりとくる、わかりやすい表現だと思いました。自分の立場や、向き不向きを考える際にも、役立つ考え方です。

畳み人の「仕事を実行に移す」というスキームは、どこに行っても通用するコアなビジネススキルだと思いました。

 

 

畳み人(たたみにん)とは

ビジネスにおいて「突飛なアイデア」という大風呂敷を広げる経営者やリーダーを「広げ人」と仮に定義するならば、「畳み人」は、仕事のアイデアを形にし、着実に実行する仕事人のことです。

 

著者曰く、畳み人の役割は、「社長やプロジェクトリーダーである広げ人の一番近くで一緒にアイデアを組み立て、実行するためのあらゆる戦略を練り、チームを組成し育て、社内外の根回しもして、その事業全体を牽引し成長に導く」こと。

 

歴事上の人物で考えれば、畳み人は、竹中半兵衛、黒田官兵衛、石田三成、秋山真之ら、参謀タイプなのだと思います。

 

畳み人のスキル

畳み人の「仕事を実行に移す」というスキームは、どこに行っても通用するコアなビジネススキルです。

・広げ人からアイデアを聞いたら、まず面白がる。
・広げ人のことを世界で一番理解しようと努める。そのために、とにかく観察すること。
⇒つまり、広げ人の精神を支えるのが、畳み人の仕事

 

・畳み人は、冷静さを保つことが大切
・トラブルを好物にすべき=トラブルから経験を得ること
・複数の選択肢をもって、戦略を立てること
・自ら手を動かすのではなく、現在のメンバーでいかにクオリティの高い仕事をできるようにするか、その仕組みづくりやマネジメントに注力すべき
 
「100%のチームを作ろうとするのではなく、今のチームで最大限のパフォーマンスを上げることを目標にすることが大切」だと、筆者は述べています。
畳み人は、いわば現場監督、現場責任者なのだと思います。
 

 

その他にも、コミュニケーション(あいさつ、お礼、相手の名前)の大切さや、タイムマネジメントの大切さも紹介されています。
 
畳み人としての評価は、「広げ人」へのステップである、という言葉も腑に落ちました。
 
ぜひお試しください。